大きく考えることの魔術

私はあまり自己啓発本は読んだことがなかったが、この本と出会えたことは幸運。
この本の初版は1970年だから、私が生まれるよりも10年近く前のこと。
しかし、内容はまったく色あせていない。名著とはそういうものだと思う。
この本の特徴は以下の通り。

  • 「大きく考えること」を具体的な実例を伴いながら推奨
  • 取り上げられている実例が普遍的な内容
  • テクニックではなく、人間の本質にスポットを当てている

人生において大きく成功するためには「人間の考え方が実世界に及ぼす影響」に対する理解が欠かせないと思う。
そして、本書はその理解の助けとなるエッセンスで満ちている。
特別なことが書かれているわけではない。以下に目次を引用するが、
基本的な内容過ぎて特に眼を引くものではないと感じる方が多いと思う。

第1章 成功できると信じよう 〜疑いを考えれば失敗する。勝利を考えれば成功する〜
第2章 弁解するのはやめなさい 〜失敗の理由を健康、能力、年齢、運のなさにするな〜
第3章 自信を持ちなさい 〜自信を持って行動すれば、自信のある考えが生まれる〜
第4章 大きく考えなさい 〜自分を過小評価せず、自信を持って積極的に考えよ〜
第5章 創造的に考えなさい 〜信念は想像力を解放し、はばたかせてくれる〜
第6章 自分が考えるとおりの人になる 〜あなたの価値を決めるのは、あなたの考え方しだいである〜
第7章 一流をめざしなさい 〜あなたの考え方、態度、個性は環境によってつくられる〜
第8章 正しい態度をとりなさい 〜成功の鍵は、熱意を持ち、サービス精神を忘れず、人から重要人物だと思わせること〜
第9章 人に好かれなさい 〜人から好かれる成功プログラム10の原則〜
第10章 行動する習慣をつけなさい 〜まず行動を起こせ。考えるだけでは何もできはしない〜
第11章 敗北を勝利に転じなさい 〜解決できる道は必ずあることを信じよう〜
第12章 目標を設定しなさい 〜計画をたて、目標を明確にして、一歩ずつ進んでいこう〜
第13章 リーダーらしく考えよ 〜人を動かす四つの原則〜

だが、本書を読むと、この基本的なことが自分にはできていないことがよくわかった。
この本に書かれているのは「真のリーダー」の言葉。
考え方の方向性のあるべき姿が、その方向に進むことの素晴らしさが、魔術的な説得力で語られている。
「そのように考え、行動できたら確かに人生は素晴らしいものになるだろう」と素直に思うことができた。
そして実際にそのような考え方に到達するための方法が具体的に示されている。
基本であればあるほど、それをできるようにする手引きは難しいと思う。
その意味で、本書は本当に素晴らしい。

珍しく買ってすぐ何度か読み返し、そしてこれからも何度も読み返すであろう本。
私の考え方に正しい軸を与えてくれたことを感謝。